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山下 純照 教授「演劇学演習b」

Slackを活用した個別指導で実践する、1人45分間のテーマ発表

山下 純照 教授「演劇学演習b」

教員基本情報

氏 名 :山下 純照(やました よしてる)

所 属 :文芸学部

職 名 :教授

専門分野:演劇学

授業概要

対象者  :文芸学部2?3年生

授業形態 :演習

単位数  :2単位

曜日?時限:木曜日?3時限

履修者数 :17 名

※黄色にハイライトされた用語はクリックで用語説明が表示されます

  • 【特に活用しているツール】
    ?Slack
    ?Web Class

  • 【授業運営のキーワード】
    ①テーマ発表
    ②Web Classへのレポート提出
    Slackを活用した指導

【授業時間外の学習】
発表の3週間前からSlackを通じて教員と発表準備を開始(※③)し、テーマの相談や資料の指導等が行われる。資料に関しては、教員から2 日以内にコメントが届くので、発表の前日までに完成させることとなっている。
自他の発表に対しては、授業後3 日以内に200 字程度のコメントをWebClass で書き込む。自身の発表の際は、発表後の討論を踏まえた振り返りを書き込む。

【成績評価の基準と方法】
発表40%?授業後のコメント30%?期末レポート30%

授業内容


 演劇や演劇性に関して、「自身のテーマと対象を見つけること」を主軸とし、学期中に1度、学生にテーマ発表を行ってもらう授業(※①)である。教員は、学生の研究テーマのマッチングを支援するため、発表の3 週間前から時間を掛けてテーマの相談に乗ることとしている。発表そのものの楽しさを体験してもらいたい、という目的も併せ持っている。
 また、演劇的感覚を養うため、実際の上演を見に行って、他の人とその経験を分かち合うという作業も行われる。
 授業の特徴としては、初回の授業で学生たちにコミュニケーションツールアプリ"Slack"を導入してもらうことである。Slackは、発表資料の事前送付が行われたり、発表学生が教員と相談を行ったりすることに活用されている。(※③)

到達目標

  • 演劇/演劇性に関する自身のテーマで発表ができるようになること。
  • 文献を用いて分析する方法を身につけるとともに、分析した結果を発表する能力をも併せて獲得すること。
  • 実際の上演を観劇し、それについての報告と分析を行い、発表できるようになること。

取材当日の授業の様子(11月9日)

13:00 ~学生の発表①
13:25 ~質疑応答
13:45 ~学生の発表②
14:10 ~質疑応答


 本授業では演劇/演劇性に関するテーマ発表ができるようになることを到達目標にしているとおり、取材当日は学生2名のテーマ発表が行われていた。(※②)発表する学生は2名とも2年生であり、約3週間前から先生とSlackを通じて発表準備が行われていた(※③)とのことである。

学生の発表方法は、以下の形式で行われていた。
?1 人45 分の持ち時間
?演劇学に関する各自のテーマを発表
?パワーポイントの投影
?テーマに基づく演劇動画の投影

学生の発表①:テーマ「道化」
 自身のテーマを「道化」に設定した当該学生は、シェイクスピアの「間違いの喜劇」と野田秀樹の「赤鬼」という作品から「道化」を考察していた。各作品に登場する人物のうちの一人の行動や発言などに着目し、「道化」の役割を持つ人物なのではないか、という問題提起を投げかけた。また、両作品のストーリーを説明するとともに、それぞれの演劇動画を投影することで、道化の要素や作品での立場等を説明していた。
 発表の後には、他の学生からは「なぜテーマを道化にしたのか」「道化の存在をどう結論付けるのか」といった質問があった。

学生の発表②:テーマ『春の祭典』
 本発表では、『春の祭典』という作品について、ピナ?バウシュ振付による舞台とベジャール振付による舞台を比較し、作品の持つ儀式性を分析し、それぞれの作品でどのように表現されているのか考察する内容であった。各作品の衣装やダンスの振付の違いについて説明し、他の学生からは、「なぜベジャールを比較対象としたのか」「ダンスの型の古さとは、どの部分が古いといえるのか」などの質問があった。

 各発表において、専門用語が使われていた場合は、適宜、先生から補足説明が行われた。質問に対する回答は、発表者自身の言葉で行うように先生が促し、ヒントや補足説明のみが先生から行われていることが印象的だった。発表した学生自身に力が身につくように指導されていることが印象的であった。
 授業後は、受講学生に対し、3日以内にWebClassを通じてコメントを送るように指示があった。(※③)

教員インタビュー(Q&A)

Q.授業のポイントを教えてください。

A. 教員と学生間の連絡手段として"Slack"を活用していることが特徴といえる。また、演劇や演劇性について、1人45分(発表15分~25分、質疑応答20分~30分)の持ち時間で発表を行ってもらうことも特徴である。
 授業終了後は、発表内容に関するコメントをWebClass の自習テストの回答として提出することを履修者全員に課しており、重要だと判断した内容は、翌週の授業においてSlackで共有している。
 発表とは別に、観劇をしてもらい、グループで内容報告をしてもらうこともある(東京芸術劇場等、入場料は1回4,000円程度とする)。

Q. 授業での学生との関わり方について教えてください。

A. 各学生の発表3週間前からSlackを活用して個別指導を行っている。学生からの進捗報告や不明点等への対応は、時間帯を問わず、Slackでやりとりしている。少人数授業だからこそできる手法であると感じている。
 また、受講学生に対しては、発表前日に共有された資料に目を通し、発表者に対する質問などを事前に考えてから授業に参加するように指示している。

Q. 学生への期待を教えてください。

A. この授業での発表を経験していれば、他のどの授業でもプレゼンテーションができる!自信を持ってほしい。

学生インタビュー(Q&A)

Q. 授業準備はどのように行っていますか?

A. 2時間ほどの演劇のDVDを見て発表の資料作成を行いました。先生には発表日までSlackで相談に乗ってもらっていましたが、20分ほどで返事がいただけて、早くてびっくりしつつも、とても助かりました!

Q. 普段の授業はどのように取り組んでいますか?

A. 質疑応答で、できるだけ発言するようにしています。昨年受講した演劇学一般講義の内容や、その他あらゆる授業の知識を導入し、考え、自分の意見を言うようにしています。この授業はちょうどいい人数で、発言しやすいと感じます。

Q. 印象に残っている授業内容はありますか?

A. 自分の発表の時が印象に残っています。先生はテーマの相談に時間を設けてくれるし、演劇学からズレそうになると軌道修正してくれます。発表テーマに関係する貴重なDVDも先生に貸していただき、発表準備もスムーズに行うことができました!

A. 3人1組で演劇を見に行き、観劇報告を行ったことが印象に残っています。

合計3名の学生さんに回答いただきました。