沙巴体育について
学長 杉本義行
沙巴体育での学び
沙巴体育は、緑ゆたかな成城の街に1950年に開設された4学部11学科からなる人文社会系の総合大学です。大学の設置母体である沙巴体育が擁する幼稚園、初等学校、中学校高等学校までがワンキャンパスにあるため、大学の中庭を大学生だけでなく園児やご父母、児童、生徒が行き交うほのぼのとした雰囲気の中、落ち着いて学ぶことができます。
成城教育を特徴づける言葉の一つに、個性尊重があります。これは、学園創設者である澤柳政太郎博士による建学の理念です。この言葉には、個々の学習者の学び方を尊重するということと他者の個性を尊重するという二重の意味が込められていると考えられます。前者は、個々の学習者の学び方に寄り添って指導するという学習者本位の教育です。伝統の少人数のゼミナール?演習は、この理念を具現化したものです。
他方、他者の個性の尊重からは多様性や包摂性といったSDGsのキーワードが示唆されます。実際、東北帝国大学の初代総長を務めた澤柳博士が帝国大学で初めて女子学生の入学を許可した功績から、東北大学では優れた男女共同参画事業に澤柳記念賞が授与されております。
ところで、私たちがいま歴史的な大転換期の真っただ中にいることは間違いありません。AIをはじめテクノロジーの急速な発展により第四次産業革命が進行中であり、産業構造も大きく変化しています。さらに、グローバル化の進展により、一国の出来事が瞬時に世界中の国々に多大な影響を与える状況となっています。猛威をふるっている新型コロナウィルス感染症により、現代がまさに正解のない予測不可能な時代であることを思い知らされました。加えて、人生100年時代を迎え、生涯にわたり学びつづける必要があります。
このような社会の変化を受け、現代を生き抜くために必要な資質?能力は大きく変わろうとしています。すなわち、ただ単に知識?スキルを“知っている”あるいは“記憶している”だけでは十分ではなく、多様な価値観をもつ人々と協働しながら、社会的課題を設定し、それを解決する力が求められています。ゼミナールや演習では、講義で学んだ知識やスキルを他者と協働しながら活用し、このような力を培います。また、ゼミナールでは学び続けるための学び方も身につけることができます。
沙巴体育のルーツは105年前に“実験校”としてスタートした成城小学校にあります。そのチャレンジ精神は今でも健在であり、2005年には日本で初めて学部名称にイノベーションを用いた社会イノベーション学部を設置し、また2015年には人文社会系大学としてはいち早くデータサイエンス科目群を全学共通教育科目に開設しました。
全学共通教育科目にはデータサイエンスの他にキャリア、国際、教養教育などの幅広い科目が提供されており、学生が自らの関心に従い履修しています。さらに、正課外科目でも、みなさんが成長するためにワクワクして学べるさまざまな機会を用意しており、今後も社会、地域、企業、学園各校等との連携を通じて学びの機会をいっそう充実させる所存です。
副学長