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美学?美術史専攻

人材育成の目的と3つの方針

人材育成の目的

美学?美術史専攻では、美学、芸術学、美術史学の諸分野を総合的かつ体系的に研究している。このような研究と芸術の鑑賞を通じて、鋭敏な感性と、歴史的コンテクストの中で本質をとらえる思考力を養い、それを基にした歴史認識によって、ますます多様化、複雑化する社会において、自律的な対応のできる人物を育てることを目的としている。

課程の修了の認定に関する方針(ディプロマ?ポリシー)

次の条件を満たした者には、当該課程を修了したことが認められる。
1.博士課程前期:修士(文学)
(1)美学?美術史の専門的研究能力を修得し、自律的に研究を継続できること。
(2)教育機関、文化行政機関、研究機関、美術館?博物館その他の、美学?美術史関係の専門的知識を必要とする諸方面において、自らの学問的営為や成果を踏まえて適切な活動を展開する能力を身につけていること。
(3)美学?美術史の領域における自らの知見を他者に客観的かつ説得的に伝達するための、理論構築力と表現方法を身につけ、また必要に応じて外国語の十分な運用能力を身につけていること。
(4)自らの専門分野のみならず、他の美学?美術史の研究分野についても関心を持ち、十分な理解を有すること。

2.博士課程後期:博士(文学)
(1)美学?美術史の分野における博士課程前期の修了に必要な条件を満たした上で、一層高度な専門性を身につけ、自立した専門家として信頼される人材であること。
(2)独創的な知見をもって学界に寄与できること。
(3)学会などで日本国内の研究者等と交流することはもちろん、必要な場合には外国語を使用して、海外の研究者等とも交流し、自己の研究成果を内外に発信できること。

カリキュラムマップは、「課程の修了の認定に関する方針(ディプロマ?ポリシー)」及び「教育課程編成及び実施に関する方針(カリキュラム?ポリシー)」と各授業科目との対応を明示することで、修了までに身につけるべき各能力とそれぞれの授業科目が果たす役割との関連を示すものです。

教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム?ポリシー)

課程の修了の認定に関する方針に示した能力を身につけるため、次の方針で教育課程を編成し、実施します。
1.博士課程前期
(1)学生の自律的研究能力を養成する目的で、授業は講義形式とともに学生の積極的発表と議論に基づくゼミナール形式を重視します。例えば、多様な専門領域に属する学生がともに学び、議論しあえる総合ゼミナールを設けます。自身の発表をおこなうのはもちろん、他者の発表にも理解と関心をもち、的確な質疑応答ができるようになることを目指します。
(2)カリキュラム編成の基本原理として、まず、専門分野に関する高度な内容の授業を提供しつつ、同時に美学?諸芸術学?美術史の諸分野を幅広く学べるようにすることにより、人間と世界に関する学生の知識と洞察を深めることを目指します。次に、学生が幅広い教養を身につけ、広く社会で活躍するに資する知見を得られるよう、専門分野の垣根をできる限り低くします。
(3)クラスに出席して学ぶ授業科目の他に、個別の研究指導科目を設けます。そこでは、美学?諸芸術学?美術史関係の修士論文の作成に向け、学生が自らのテーマに関する研究情勢をすみやかに把握し、自力で方法論を発展させ、かつその成果を的確な文章で表現できるように指導します。
(4)授業は研究指導を含め基本的にセメスター制とし、留学を容易にします。また、長期履修学生制度により、多様な学修形態を可能にします。
(5)国内はもちろん、専門分野によっては早くから海外の学会にも参加して、刺激と動機づけを得るように支援します。関連して、できるかぎり海外から客員教員を招聘し、英語による授業の機会を設けます。
(6)必要に応じ、学芸員課程の履修を可能にし、学芸員資格を取得する機会を与えます。実態に即した意識と、即戦力となる応用力を養成するために、美術館学芸部門等でのインターンを一定条件のもと修了単位として認め、積極的に推奨します。

2.博士課程後期
(1)学生の自律的研究能力を強化するため、授業は学生の研究発表と議論を主体としたゼミナール形式を基本とします。例えば、多様な専門領域に属する学生がともに学び、議論しあえる総合ゼミナールを設けます。
(2)授業では、発表能力の向上を目指すことはもちろん、発表後のディスカッションを通じて、他者の疑問を正確に把握し、的確に答える能力を養います。さらに他者の発表にも理解と関心をもち、有意義な質疑ができるようになることを目指します。
(3)カリキュラム編成の基本原理として、学問的刺激に満ちた専門科目を提供します。並行して、指導教員による定期的な研究指導を行い、在学中の博士論文提出を促します。そのさい研究の客観化を促し、博士論文執筆の要件を明確化するため、一定数の審査付き媒体における発表を条件とします。
(4)個別の研究指導科目では、美学?諸芸術学?美術史関係の博士論文の作成に向けて、学生が自らのテーマに関する最先端の研究情勢を把握したうえで独創的な研究を遂行するように指導します。国内はもちろん、専門分野によっては海外での学会発表を行い、同世代の研究者の国際的なネットワークをもつように支援します。関連して、できるかぎり海外から客員教員を招聘し、英語による授業の機会を設けます。
(5)授業は研究指導を含め基本的にセメスター制とし、留学を容易にします。また、長期履修学生制度により、多様な学修形態を可能にします。
(6)必要に応じ、学芸員課程の履修を可能にし、学芸員資格を取得する機会を与えます。

入学者の受入れに関する方針(アドミッション?ポリシー)

次の条件を満たす人材を入学者として求めます。
1.博士課程前期
(1)芸術の諸分野に大きな関心を有し、個々の作品や作家について研究したいと思う人、あるいは、諸芸術がいかにして歴史の中で生まれてきたか、人間にとって美的価値はどのような意義を持つのか、各時代の感性的認識とはどのようなものか、といった知的関心を抱き、それを研究したいと思う人。
(2)美学?美術史の専門的研究能力を修得することを通じて、将来、研究教育機関、文化活動や文化財に関する行政機関、美術館?博物館など広く社会の中で活躍しようという志を持っている人。
(3)美学?美術史に関する専門文献の読解能力を有し、また自らの思考を明確に表現する可能性を有する人。必要に応じて外国語文献を読みこなす可能性を持っている人。
(4)教員および他の学生と、必要な研究?教育上のコミュニケーションを十分に取ることができ、相互研鑽の中で自他ともに成長できる人。

2.博士課程後期
博士課程前期への入学に必要な条件に加え、研究者としての自覚と展望を持ち、博士論文作成に向けて邁進できる人。