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交換留学

シェフィールド大学(イギリス)長さん


幼い頃から外国の本や映画に親しんできた私にとって、大学に入ったら長期留学をする、ということが入学当初からの夢の一つでした。三年の後期からの留学を目標とし、二年次はそのための準備に当て、要求されているIELTSという英語のテストのスコアを取るための勉強に時間を費やしました。スコアも無事に取ることができ、イギリス、シェフィールド大学への交換留学が決まった時の喜びは、今でも鮮明に覚えています。
 
私がシェフィールド大学への留学を志望した理由は主に二つあります。まず一つ目は、沙巴体育での授業を通してより深く知りたいと思った英文学の数々が育まれた土地を、直接訪れてみたいと思ったからです。書物を読むだけでは感じることの出来ない、その国独自の雰囲気や景色、物語の背景を自ら体感してみたいと思いました。二つ目は、様々なヨーロッパ諸国と隣接するイギリスに留学することで、他の国の文化も、実際に訪れて学ぶことが出来やすいと考えたからです。(実際に留学中に、フランス、ドイツにも訪れることができ、とても良い経験になりました。)これらの理由から、私は3年生の9月から、シェフィールド大学での留学をスタートさせました。

シェフィールドでは、大学の学生寮に滞在していました。一人一人個別の部屋がありますが、キッチンのみは五人のフラットメイトとシェアしていました。私のフラットには、シンガポール、フランス、ブルガリア、ナイジェリア、そしてもう1人同じ日本から来た女の子が住んでいました。掃除の仕方や食べ物の扱い方など、それぞれの育った環境によって異なる点もあり、戸惑ったこともありましたが、きちんとその都度コミュニケーションをとったり、掃除は当番制にしたりすることで、気持ちよくスペースを共有することができました。また、同じ留学生同士、慣れない海外生活での不安や孤独を分かち合うことで、つらい時もお互いに支えあえる、良い関係が築けました。
 
大学での授業ですが、私は秋学期にはELTC (English Learning Teaching Centre) という学部の、英語を外国語として学ぶ学生向けの授業をとり、春学期には英文学の授業を二つ、社会学、フランス語の授業をそれぞれ一つずつとっていました。ELTCの授業は、留学生向けとはいえ大学の単位の出る授業だったので、内容はとても簡単というわけでもありませんでした。また、ヨーロッパから来た学生は特に飲み込みが早いように感じられ、とても良い刺激になりました。授業の中でも、特に課題となったのは、授業内でのディスカッションでした。言いたいことがスラスラと英語で出てこなかったり、他の留学生たちの積極性に負けて発言が出来ず悔しい思いをしたりしたこともありますが、その思いをバネにして次の授業では発言するように心がけました。12月に英文学を学ぶために必要なスコアが取れたのも、これらの授業のお陰だったと思います。春から取っていた英文学の授業ですが、週に最低1冊の本と作品に関する論文をいくつか読まなくてはならず、予習がとても大変でした。また、ネイティブの英語の速さについていけず、一度の講義では理解できないところなどもあったので、毎回の講義を録音し、部屋でノートをまとめながら聞き返して復習もしていました。その甲斐もあり、だんだんと先生や他の学生の発言もスムーズに頭に入ってくるようになりました。

海外の大学への留学は、予想していたものよりも何倍も大変でしたが、それ以上に何十倍も楽しく、充実した日々でした。シェフィールドは土地柄もよく、人々はとても優しく親しみやすいです。また、少し足を伸ばしてロンドンまで行けば、様々な芸術や文化に触れることもできる素敵な環境です。このような場所で、学生時代に貴重な体験ができたことを、今はとても幸せに感じています。国境や文化を超えて仲良く慣れた人たちと作った思い出は、今後も決して忘れることのできない、かけがえのない自分の糧となると思います。また、辛いことから学んだことも、今では私の貴重な財産となりました。この交換留学で培ったことを、今後の生活にも存分に活かしていきたいと思います。