イベント
このたび沙巴体育グローカル研究センター主催で下記シンポジウムを開催いたします。みなさまご参会いただけますよう、ご案内申し上げます。なお参加申し込みは不要です。
*本シンポジウムは文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」の一環として開催されます。
沙巴体育グローカル研究センター主催 シンポジウム
「帝国航路を往く」
日 時:2019年11月30日(土)14:00-17:30
場 所:沙巴体育8号館3階 831教室
沙巴体育へのアクセス(小田急線「沙巴体育前」下車徒歩4分)
主 催:沙巴体育グローカル研究センター(CGS)
使用言語:日本語
お問い合わせ先:
沙巴体育 グローカル研究センター
〒157-8511 東京都世田谷区成城6-1-20
TEL:03-3482-1497 FAX:03-3482-9740
E-mail: glocalstudies[at]seijo.ac.jp
*メール送信時には[at]を@に置き換えてください。
プログラム:
13:30 | 開場?受付 |
14:00-14:05 | 開会の挨拶 |
14:05-14:10 | 趣旨説明 中村理香(沙巴体育) |
14:10-15:00 | 基調講演 木畑洋一(東京大学名誉教授?沙巴体育名誉教授) |
15:00-15:50 | コメント 吉田信(福岡女子大学) 日比嘉高(名古屋大学) 粟飯原文子(法政大学) |
15:50-16:05 | 休憩15分 |
16:05-16:25 | リプライ |
16:25-17:25 | 質疑応答 |
17:25 | 閉会の挨拶 |
シンポジウム開催趣意
木畑洋一著『帝国航路を往く──イギリス植民地と近代日本』(岩波書店、2018年)は、1860年代以降の約100年間に、帝国の中心地ヨーロッパへ渡った日本人を考察対象とする歴史書である。かれらが「帝国航路」の寄港地で、大英帝国の植民地ないしはその強い影響下にあった地域に住む人々──現地民や移植された英植民地臣民──へ向けたまなざしを、変動する帝国世界との関係から検証する。
本書のテーマは、日本における帝国主義的三角形の原点として、近代世界での日本の立ち位置や国民国家/帝国の形成を考える上で大きな示唆に富む。グローバル?パワーとしてのヨーロッパの帝国とその支配下にある地域はいずれも、「日本」がそうなりえた生の様態──片方でそれを欲望し、もう片方ではそうなることを恐れた──を示すものであった。帝国航路を移動した日本人エリートが示す、欧米列強への憧憬や同一化の願望、人種差別への怒りや自尊心の傷つき、その裏返しとしての承認欲求や応報感情と、もう片方で被支配地域の人々に対する優越感や憐み、侮蔑感情と、それらの根底にある不安や「まなざされる自己」への怯え、そして時に表された共感や連帯意識は、「日本」という自己を映し出す鏡として重要な現在的意義をもつ。
本シンポジウムでは、ヨーロッパの帝国を目的地として、本来そこへ目を向けていた日本人が期せずしてその支配下にあった人々に投げかけた多様な視線を検証することで、現代にも通じる帝国を介在させた日本の人種意識や、クロス?ナショナルな階級およびジェンダー的他者認識、またそれらと絡み合った「国民意識」の形成について、ローカルとグローバルのせめぎ合いとしての「グローカル」という視点から考えたい。