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ヨーロッパ文化専攻

教員紹介

下田 和宣准教授

しもだ かずのぶKazunobu Shimoda

文学研究科 / ヨーロッパ文化専攻
職位:
准教授
学位:
課程博士(文学、京都大学、2018年3月取得)
専門分野:
ドイツ哲学
主な担当科目:
ヨーロッパ思想研究Ⅰ、ヨーロッパ思想研究指導Ⅰ、ヨーロッパ思想特殊研究Ⅰ
最近の研究テーマ:
文化哲学、宗教哲学、哲学的人間学
研究内容:
『宗教史の哲学——後期ヘーゲルの迂回路』(京都大学学術出版会、2019年)では後期ヘーゲルの宗教哲学講義を中心に、その宗教史記述がもつ哲学的意義について明らかにした。宗教史の哲学はヘーゲル哲学にとって体系の一部門であるに留まらず、精神の自己外化という理念の極まる特殊な場所である。宗教の歴史という文化的現象に向かい合うことで成立する哲学のあり方は、のちのドイツ文化哲学の系譜へと連なるものだと言える。

最近ではジンメルやカッシーラーを中心とするドイツ文化哲学の潮流がもつ哲学的な意義について考察している。なかでも20世紀の思想家ハンス?ブルーメンベルクについて集中的に取り組んでいる。浩瀚な思想史記述で知られるブルーメンベルクであるが、その核心には独自の人間学的思考が認められる。ブルーメンベルクが描き出すのはつねに、哲学者でも文学者でも、あるいは科学者でも、そのつどの危機に対処するべく急場凌ぎの埋め合わせを行わざるをえない人間の露わな姿である。現在、世界や人間に対するそのようなブルーメンベルクの眼差しのあり方から、宗教、文化、宇宙がどのように映るものであるかを研究し、人間理解の具体的な方法を構築している。
略歴:
京都大学 文学研究科 思想文化学専攻 宗教学専修
博士課程、2015年3月、研究指導認定退学、日本国
課程博士(文学、2018年3月取得)
ドイツ留学(ボッフム、キール)
主要業績:
[著書]
『宗教史の哲学——後期ヘーゲルの迂回路』、京都大学学術出版会、2019年
 2020年度日本宗教学会賞受賞
 第14回(2020年度)日本ヘーゲル学会研究奨励賞(単著部門)受賞

[共編著他]
伊原木大祐?竹内綱史?古荘匡義編『3STEP宗教学』、昭和堂、2023年(担当:終章「宗教学のこれから——「宗教とは何か」という問いを考え直す」)

[近年の論文]
「文化の受け入れ難さ——ジンメルの実在論的な「文化—哲学」について」、沙巴体育文芸学部編『成城文藝』、261号、57~79頁、2023年
「哲学的言語の克服されざる根本要素としてのメタファー——ブルーメンベルク「メタファー学のテーゼ」講演について」、沙巴体育文学研究科ヨーロッパ文化専攻編『ヨーロッパ文化研究』、42号、73~100頁、2023年
「宗教と文化の哲学のために——「宗教」概念批判と二十世紀ドイツ概念史研究の交点から」、宗教哲学会編『宗教哲学研究』、40号、1~14頁、2023年
Blumenberg in Japan. Rezeptionslage und Ausblick, in: Allgemeine Zeitschrift für Philosophie Beiheft 2. Theoretische Neugierde. Horizonte Hans Blumenbergs. Stuttgart-Bad Cannstatt: frommann-holzboog, 2023, S.287-296.
「二〇世紀後半ドイツにおける「哲学としての哲学史」の諸相——「概念史研究」プロジェクトとその周辺——」、日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究』、28号、2022年、30~42頁。
「文化哲学は今日においてなお可能なのか——ラルフ?コナースマンの問題設定——」、日本ディルタイ協会編『ディルタイ研究』、33号、2022年、43~58頁。
「文化の悲劇——ジンメルとカッシーラーをめぐる文化哲学的思考の分水嶺」、沙巴体育ヨーロッパ文化研究科編『ヨーロッパ文化研究』、41号、2022年、29~53頁。
「背景化する隠喩と隠喩使用の背景——ブルーメンベルクをめぐるひとつの哲学的問題系」、京都哲学会編『哲學研究』、606号、2021年、25~64頁。

[主要翻訳]
ラルフ?コナースマン、『文化哲学入門』、知泉書館、2022年。
『ヘーゲル全集第15巻 自筆講義録I(1816-31)』、小林亜津子、山口誠一編、鈴木覚、嶺岸佑亮共訳、知泉書館、2020年。

詳しい業績?経歴については https://researchmap.jp/kazunobu_shimoda
所属学会:
日本哲学会、日本宗教学会、宗教哲学会、日本ヘーゲル学会、日本ライプニッツ協会、ヘルダー学会、Kulturwissenschaftliche Gesellschaft(文化学会、ドイツ)、Hans Blumenberg-Gesellschaft(ブルーメンベルク学会)