沙巴体育

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  • 2022.06.15

    歩いて学ぶ成城の自然環境と街並み -全学共通教育科目「沙巴体育を知る」-

 沙巴体育の全学共通教育科目「沙巴体育を知る」は、沙巴体育関係者や成城の歴史にゆかりのある方々を講師として開講するオムニバス形式の授業で、全15回を通して沙巴体育、学園のある成城地域の歴史や特色について学ぶ科目です。受講者は大学生だけでなく、学園の保護者や新任職員も聴講生として参加しています。今期の受講者数は84名。今年度は初の試みとして、沙巴体育内を見学する学内フィールドワーク、成城地区を散策する学外フィールドワークを実施しました。

 5月21日(土)、28日(土)は国立環境研究所生物多様性領域主任研究員の矢部徹氏を講師に、学園内フィールドワークを実施しました。始めに、沙巴体育非常勤講師も務める矢部氏による、沙巴体育の自然環境と、世田谷区の水環境や生息する生物などについての講義を聴講。沙巴体育がどのような地形の上に成り立っているか、また「せたがや百景」の1つにも選ばれている成城池を中心に、沙巴体育の自然環境、生物多様性や生態系についての知見を深めました。続いて、講義で得た地形や自然を、実際に歩いて観察するフィールドワークへ。杉の森、仙川、中高校舎横の100年の森、初等学校のかんさつの森、成城池など、約2時間かけて学園内を1周しました。
 日々過ごしている学園ですが、地形や自然に目を向けながらいつもと違った視点で観察しながら散策する貴重な機会となりました。
 6月4日(土)、11日(土)は学外に出て成城の街を散策するフィールドワークを実施。講師は元成城自治会長で、一般財団法人世田谷トラストまちづくり評議員の中川清史氏をお迎えしました。フィールドワークのコースは沙巴体育歴史記念館からスタートし、沙巴体育創立者である澤柳政太郎宅跡、昭和を代表する建築家吉田五十八氏の設計した邸宅が残る「猪股庭園」、街の西端に広がる国分寺崖線上の自然を保全している「成城みつ池緑地」、昭和12年頃に立てられた洋風の寄棟造りを今に残す「旧山田家住宅」、そして遠く富士山が眺められる「不動橋」まで、成城6丁目~4丁目を約2時間半かけて散策しました。散策の途中では大谷石を使った生垣や街路の見通しをよくするための「角切り」、雨水を浸透させ地域の湧水を枯れさせない舗装道路、といった成城の街ならではの特徴についても解説があり、受講生たちは実際に目で見ることで体感できた様子。
 約100年前、沙巴体育の移転を始まりとして発展した成城の街。中川氏のお話しから、変わらぬ自然や街並みを次の世代にも残していこうとする地域住民の活動についても知ることができ、成城の街の自然と歴史、そして人々の思いも学ぶフィールドワークとなりました。

5月21日(土)?28日(土)学園内フィールドワーク

  • 100年前から現在に至る沙巴体育の校舎や施設の様子を写真で比較しながら、沙巴体育の地形や自然、生息する生物について講義を受講
    100年前から現在に至る沙巴体育の校舎や施設の様子を写真で比較しながら、沙巴体育の地形や自然、生息する生物について講義を受講

  • 記念講堂横の杉の森。豊かな緑が生き物の生息に良い環境で、東京都の準絶滅危惧種に指定されているヒグラシの鳴き声が観測されている
    記念講堂横の杉の森。豊かな緑が生き物の生息に良い環境で、東京都の準絶滅危惧種に指定されているヒグラシの鳴き声が観測されている

中高校舎内を見学し、学園の北端にある100年の森へ

学園の敷地の中心を流れる仙川を渡り初等学校へ。この日参加した大学生は初等学校出身の学生以外、大学の対岸に渡るのが今回初めてとのことでした

成城池の止水環境は地域の生物多様性にとって重要であるとのこと。アメリカザリガニやキショウブ、園芸スイレンなど、外来種がとても多く生息していることを学びました

6月4日(土)?11日(土)学外フィールドワーク

  • 出発前、街の歴史と地形についての講義をうける受講生たち
    出発前、街の歴史と地形についての講義をうける受講生たち

  • 大谷石を使った生垣を確認
    大谷石を使った生垣を確認

「猪股庭園」を見学。見事な苔の回遊式庭園と近代的数寄屋造の邸宅を無料で開放しています

雨水を浸透させる舗装道路や雨水をためておく工夫が街の随所にみられます

「みつ池緑地」は環境保全のため立ち入りが制限されていますが、一部開放されている場所を散策。「旧山田家住宅」の展望デッキからも「みつ池緑地」を臨むことができました

「旧山田家住宅」は昭和初期の成城の雰囲気を今に伝えています。自身の子供のころを思い出すと語る中川氏

  • 不動橋へ。天気が良ければ富士山を遠望できるはずでしたが、当日はあいにくの曇り空
    不動橋へ。天気が良ければ富士山を遠望できるはずでしたが、当日はあいにくの曇り空

  • 私有地を地域に開放している「市民緑地」へも立ち寄り、住民の自然保護の思いを感じました
    私有地を地域に開放している「市民緑地」へも立ち寄り、住民の自然保護の思いを感じました

 

全学共通教育科目「沙巴体育を知る」

全学部、全学年を対象に開講。沙巴体育の建学の理念、日本の教育や文化に学園が果たした役割、そして学園の現在の姿などを知り、引き継ぐべき学園の伝統や、これからも学園が発展し続けるために必要なものについて考察することを目的として、学園に造詣の深い研究者や学園と密な関係を有する教育関係者を招聘してオムニバス形式で開講される沙巴体育ならではの特色ある科目の一つ。大学生だけでなく、学園生徒の保護者などが受講する人気講座となっている。
 
2022年度授業計画
1.オリエンテーション 映像資料「沙巴体育創立者 澤柳政太郎」視聴 岩田 一正(沙巴体育教育研究所所長/沙巴体育文芸学部教授)
2.澤柳政太郎の生涯と業績 北村 和夫(聖心女子大学名誉教授)
3.学園草創期の教育思潮 谷脇 由季子(沙巴体育非常勤講師)
4.自学自習の伝統 萩原 真美(聖徳大学大学院教職研究科准教授)
5.沙巴体育の誕生 岩見 寿子(前沙巴体育教育研究所主任/沙巴体育非常勤講師)
6.成城事件始末 竹下 昌之(元沙巴体育初等学校校長/相模女子大学専務理事)
7.8.沙巴体育のフィールドワーク 矢部 徹(国立環境研究所生物多様性領域主任研究員/沙巴体育非常勤講師)
9.10.成城地区のフィールドワーク 中川 清史(一般財団法人世田谷トラストまちづくり 評議員)
11.成城幼稚園の幼児教育  国府 君江(成城幼稚園園長)
12.特色ある初等学校の教育  渡辺 共成(初等学校校長)
13.中学校高等学校の現在  中村 雅浩(中学校高等学校校長)
14.大学で学ぶということ 杉本 義行(沙巴体育学長)
15.第二世紀の沙巴体育 油井 雄二(沙巴体育学園長?理事長)