沙巴体育

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  • 2024.02.08

    スポーツとジェンダー平等国際研究センターが埼玉県議会「人材育成?文化?スポーツ振興特別委員会」の視察を受けました

 スポーツとジェンダー平等国際研究センター(International Research Center for Sport and Gender Equality:以下、SGE)は、スポーツ界の新しい潮流と連動する形で国際的に研究が進展しているスポーツとジェンダー/セクシュアリティ研究の日本における研究拠点を目指し、多様なジェンダーや多様な性の平等に向けたツール及びプラットフォームとしてのスポーツの在り方を再定義していくための研究を進めています。

 2月1日(木)、スポーツを通じたジェンダー平等の推進に係る調査を目的とした、埼玉県議会「人材育成?文化?スポーツ振興特別委員会」の視察を受けました。当日は、委員12名と埼玉県職員5名が来校しました。
 飯塚俊彦委員長のご挨拶、杉本義行学長挨拶に続き、SGEセンター長の山本敦久 社会イノベーション学部教授、副センター長野口亜弥 文芸学部専任講師より、SGEの事業概要について説明をしました。山本センター長はSGE設立の背景や課題、設立の目的、活動内容等について紹介し、ジェンダー平等実現のためのプラットフォームとなるよう研究を推進していきたいと語りました。野口副センター長は、東南アジアを中心としたこれまでの活動について詳細に説明し、幼稚園から大学院までの一貫教育を行う沙巴体育の特性を活かし、スポーツとジェンダーの問題への取り組みを学園全体でけん引していけたら、と展望が語られました。さらに、東南アジアをはじめ世界で女性がどのように活躍するか、女性がさらにスポーツに進出するにはどうしたらよいか、研究を通じて国際的に発信していきたいと述べました。

  • 飯塚委員長よりご挨拶
    飯塚委員長よりご挨拶

  • 杉本学長のご挨拶
    杉本学長のご挨拶

山本センター長、野口副センター長よりSGE事業概要を説明

 質疑応答の時間では、委員の方々より、世界的にみた女性のリーダーシップの現状や、子どもたちへのジェンダー教育について等の質問が寄せられました。特に、歴史的背景や宗教上の理由によりジェンダー平等へのハードルが高い地域があることや、固定概念により拒否感を持つ人が一定数いることについて多くの質問が寄せられました。これに対し、山本センター長と野口副センター長は、「200年以上もの間、男女二元論が自然とされていた社会を短期間で変えることは難しい。少しずつでもジェンダーは多様であることを学び、時間をかけて考えていく必要がある。スポーツにおいても、男女で分けられてきたカテゴリーを見直し、多様なジェンダーが当たり前であるスポーツをつくっていくべき」と話しました。さらに、野口副センター長は「宗教や社会規範によって、ジェンダー平等のとらえ方は異なる。欧米を中心とするジェンダー平等の価値観ややり方を押し付けるのではなく、その地域の女性や女の子、弱い立場に置かれている人たちが望むものを丁寧に分析しながら、平等とは何なのか、どうしたらそれが達成できるのか、その方法を考えていきたい」と述べました。

質疑応答の様子

 後半は、沙巴体育の学生10名と委員によるワークショップが行われました。学生と委員の方々が一緒に4つのグループに分かれ、「自身や周りの女性/女の子が、定期的に運動したり、スポーツの分野で活躍することを妨げている障壁や課題は何だと思うか?」について話し合いました。最初に個人で考えたことを付箋に書き、その後、話し合いながら意見をグループ分けし、ホワイトボードにまとめました。それぞれのグループの発表では、体力差等の身体的要因、女性競技人口が少なく仲間がいない、指導者に男性が多い、子育てがありスポーツを続けることは難しいといった環境の問題、周囲の目や偏見が気になる等さまざまな意見が挙げられました。
 話し合いでは、学生も積極的に意見を出す様子がみられ、普段接する機会が少ない委員の方々と意見交換をする貴重な時間となりました。
 ワークショップを終えると委員の方々より「視察の際に学生とのワークショップを行うのは初めてだったが、有意義な機会となった。今後の参考にしたい」とお話しいただきました。

  • まずは、自己紹介や自身のスポーツ経験について話しました
    まずは、自己紹介や自身のスポーツ経験について話しました

  • テーマについて、自分の考えを付箋に書きだしていきます
    テーマについて、自分の考えを付箋に書きだしていきます

  • グループで話し合い、ホワイトボードにまとめていきます
    グループで話し合い、ホワイトボードにまとめていきます

  • グループ発表の様子
    グループ発表の様子