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グローカル研究プロジェクト

当センターでは、文部科学省の「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」の財政的支援を受け、2008年度から「グローカル研究プロジェクト」を実施しています。この研究プロジェクトは2008年度からの3年間、および2011年度からの5年間、の2期に分けられます。

第1期の3カ年計画(2008~2010年度)では、「グローカル化時代に再編する日本の社会?文化に関する地域?領域横断的研究」を実施しました。

第2期の5カ年計画(2011から2015年度)では、「社会的?文化的な複数性に基づく未来社会の構築に向けたグローカル研究拠点の形成」を実施しています。

この研究を当センターでは、「グローカル研究プロジェクト」と称しています。

第1期

グローカル研究プロジェクトの概要は以下の通りです(文部科学省に提出した「平成20年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業構想調書」の抜粋)。

◆文部科学省事業名: 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
◆支援区分: 研究拠点を形成する研究
◆支援事業名: グローカル化時代に再編する日本の社会?文化に関する地域?領域横断的研究
◆研究事業の主体となる研究組織名: 民俗学研究所
◆研究代表者: 松崎憲三民俗学研究所長
◆研究期間: 2008~2010年度(3年間)

◆事業の概要
1.研究目的?意義
本事業は、グローバル化(人、モノ、情報等が地球規模で移動し再編する現象)とローカル化(グローバル化の地方?地域への浸透に対応ないし対抗して起こるさまざまな現象)が同時に、しかも双方的に生じるという現象、すなわちグローカル化が近年ますます顕著になりつつあることを念頭に、i)そうした現象に伴って日本の社会?文化がいかに再編されつつあるのかという実態を、民俗学や文化人類学、日本史学、広域芸術論、教育学等を専門とする複数の研究者が領域横断的に、しかもローカル(地域?地方)の視点を強調しつつ実証的に明らかにし、その上で、ii)グローカル化時代に対応した新たな社会?文化理論の提示を試みることを主要な目的とする。本事業は、ただ単にグローカル化の実態を実証的に明らかにするというだけでなく、流動化し混迷する現代の社会?文化を未来に向けていかに効果的かつ柔軟に再構築することができるのかという理論の提示をも目論むものであり、広く社会一般に貢献するものと確信する。

2.研究計画?方法
①研究体制
<研究体制>
民俗学研究所の下に「グローカル研究拠点」(仮称)を設置し、そこを拠点にして本事業を実施?支援するとともに、本事業にかかわるすべての情報?資料を収集?蓄積?管理し、あわせて研究成果の公開?発信を行う。研究の実施に当たっては、本事業の核となる研究として4つの研究プロジェクトを立ち上げ、それぞれのプロジェクトで以下のような調査?研究を実施する。すなわち、本事業の下で、i)グローカル化に伴う越境の実態調査と理論構築、ii)グローカル化に伴う地域共同体の再創造の実態調査と理論構築、iii)地域?地方の再生運動としてのグローカル化の実態調査と理論構築、iv)グローカル化に伴う日本内外における文化移転の実態調査と理論構築の4つのプロジェクトを同時進行的に実施する。なお、民俗学研究所には、本学大学院を修了し、本事業と密接に関連した研究を行っている若手研究者が研究員として所属しているので、必要に応じてこうした研究員を採用して本事業の支援、協力に当たらせるものとする。

<組織> *所属?職は、計画を開始した2008年当時
i)プロジェクト1.「グローカル化に伴う越境の実態調査と理論構築」
  プロジェクトリーダー:上杉富之(沙巴体育教授)
  プロジェクトメンバー:茨木 透(鳥取大学准教授)
             工藤正子(東京大学助教)
             細谷広美(神戸大学教授)
             松川祐子(沙巴体育准教授)

ii)プロジェクト2.「グローカル化に伴う地域共同体の再創造の実態調査と理論構築」
  プロジェクトリーダー:小田 亮(沙巴体育教授)
  プロジェクトメンバー:岩田一正(沙巴体育准教授)
             大杉高司(一橋大学教授)
             関根康正(日本女子大学教授)
             東谷 護(沙巴体育准教授)

iii)プロジェクト3.「地域?地方再生運動としてのグローカル化の実態調査と理論構築」
  プロジェクトリーダー:小島孝夫(沙巴体育准教授)
  プロジェクトメンバー:篠川 賢(沙巴体育教授)
             田中宣一(沙巴体育教授)
             外池 昇(沙巴体育非常勤講師)
             松崎憲三(沙巴体育教授)

v)プロジェクト4.「グローカル化に伴う日本内外における文化移転の実態調査と理論構築」
  プロジェクトリーダー:小澤正人(沙巴体育教授)
  プロジェクトメンバー:相澤正彦(沙巴体育教授)
             石鍋真澄(沙巴体育教授)
             北山研二(沙巴体育教授)
             高木昌史(沙巴体育教授)

②年次計画
?平成20年度:「グローカル研究拠点」の研究環境の整備?拡充。年度初めのプレ?シンポジウム(該当年度の事業全体ならびに各研究プロジェクトの研究計画の確認など)と年度末のワークショップの開催(研究成果の中間発表とそれに基づく相互批判。翌年度の研究計画の策定)。各研究プロジェクトによる個別の調査?研究の開始。
?平成21年度:研究拠点のさらなる整備?拡充。各研究プロジェクトによる個別の調査?研究の継続。年度末のワークショップの開催(調査?研究成果の中間報告と相互批判。最終年度の研究計画の策定)。
?平成22年度:研究拠点の整備。各研究プロジェクトによる個別の補充調査?研究の実施。年末に事業全体に関する公開シンポジウムの開催(最終的な成果報告、理論の提示と相互批判。研究成果刊行の打合せ)。研究成果の取りまとめと成果報告書の編集?刊行。

3.研究により期待される効果
現在、世界の至る所で急速かつ大規模に進行している社会と文化の再編は、「中心」に位置し、質?量ともに他を圧倒する欧米が一方的な影響を及ぼす(グローバル化)のではなく、それを受容する「周縁」としての地方や地域からの対抗や抵抗等(ローカル化)との相互作用の結果であることは今や常識となっている。「グローカル化」が注目される所以である。にもかかわらず、グローカル化の観点から日本の社会や文化を調査?研究した例は多くはない。その意味で、本事業で展開する日本の社会と文化に関する「グローカル研究」は、今後、この種のより実態に即した調査?研究を促進?強化する効果を持つ。また、本事業では、日本の社会や文化の再編に関する新たな理論の構築を目論論んでいるが、その成果を内外に示すことにより、実態の提示に止まりがちな民俗学や文化人類学等のミクロな研究を、理論構築的な国際関係論や政治学等のマクロな研究に連結する可能性を拓き、社会や文化の動態に関するより包括的な理論構築に向けて大きく貢献するものと期待される。

第2期

グローカル研究プロジェクトの概要は以下の通りです(文部科学省に提出した「平成23年度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業構想調書」の抜粋)。

◆文部科学省事業名: 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
◆支援区分: 研究拠点を形成する研究
◆支援事業名: 社会的?文化的な複数性に基づく未来社会の構築に向けたグローカル研究拠点?
の形成
◆研究事業の主体となる研究組織名: グローカル研究センター
◆研究代表者: 上杉富之文芸学部教授
◆研究期間: 2011~2015年度(5年間)

◆事業の概要
1.研究目的?意義
本プロジェクトは、1)グローバル化とローカル化が同時かつ相互に影響を及ぼしつつ進行するという社会的?文化的な諸現象(グローカル化)に焦点を当てた新たな研究を「グローカル研究」として構想?確立し、2)グローカル研究を理論と実証の両面から推進することを通して、従来の研究で見過ごされてきた様々な現象を「対象化」(可視化)するとともに、3)グローバル化に不可避とみなされてきた「中心」と「周縁」の間の社会的?文化的な力の不均衡を「対称化」(均衡化)する可能性を探り、最終的には4)多様な人々の生き方や価値観、社会制度の共存を容認する「複数性社会」を構想し、その実現に向けた理論を構築することを主要な目的とする。
本プロジェクトは、閉塞気味のわが国の人文?社会科学研究に「グローカル研究」という新たな研究領域を確立?推進するという意義を持つ。また、一般社会に対しては、混迷する現代社会にあって、来るべき未来社会を「複数性社会」として構想?提示するという意義を持つ。

2.研究計画?方法
①研究体制
<研究体制>
本プロジェクトはグローカル研究センターを拠点として実施する。センター内に「研究資料室」を新設し、情報や資料を一括して収集?蓄積?管理するとともに、成果の公表や発信を行う。研究に当たっては、プロジェクトを理論研究と実証研究に二分した上で、さらに理論研究を1テーマ(①グローカル研究と複数性社会構築の理論研究)、実証研究を5テーマ(②社会接触、③コミュニティ再編、④経済社会動態、⑤文化表象、⑥歴史認識の各グローカル研究)に分割し、各テーマを6~8名から成る研究グループが分担する。各グループは個別に研究を実施し、年度末ごとに全グループが研究成果を持ち寄ってシンポジウム等を開催して理論的研究を行う。必要に応じて若手研究者をリサーチ?アシスタント等として採用し、研究グループの支援に当たらせる。プロジェクトの達成度や研究成果は、学内の研究戦略委員会とともに、学外の研究者を招いてセンターに新たに設置する「研究総括班」が評価する。

<組織> *所属?職は、計画を開始した2011年当時

  センター長  上杉富之    文芸学部教授
  副センター長 小澤正人    文芸学部教授

   A.グローカル研究と複数性社会構築の理論研究
      小田 亮      文芸学部教授
      ※他に各研究グループのプロジェクト?リーダー5名がメンバーとなる。

   B.実証的調査研究(各研究グループの筆頭はプロジェクト?リーダー)
    a)社会接触のグローカル研究
      上杉富之      文芸学部教授
      佃 陽子      法学部専任講師
      石原邦雄      社会イノベーション学部教授
      大隈 宏      社会イノベーション学部教授
      青井未帆      法学部准教授
      工藤正子      京都女子大学現代社会学部准教授
      泉水英計      神奈川大学経営学部准教授
      矢澤修次郎     社会イノベーション学部教授

   b)コミュニティ再編のグローカル研究
      東谷 護      文芸学部准教授
      阿部勘一      経済学部准教授
      境 新一      経済学部教授
      岩田一正      文芸学部准教授
      小島孝夫      文芸学部教授
      俵木 悟      文芸学部准教授
      松崎憲三      文芸学部教授
      西土彰一郎     法学部准教授
      増渕敏之      法政大学大学院政策創造研究科教授

   c)経済社会動態のグローカル研究
      岩崎尚人      経済学部教授
      相原 章      経済学部准教授
      海保英孝      経済学部教授
      庄司匡宏      経済学部専任講師
      山重芳子      経済学部准教授
      遠藤健哉      社会イノベーション学部教授
      加藤敦宣      社会イノベーション学部准教授

   d)文化表象のグローカル研究
      北山研二      文芸学部教授
      陳力 衛      経済学部教授
      中村理?      経済学部准教授
      牧野陽子      経済学部教授
      木下 誠      文芸学部准教授
      高木昌史      文芸学部教授
      松川祐子      文芸学部准教授

   e)歴史認識識のグローカル研究
      木畑洋一      法学部教授
      小澤正人      文芸学部教授
      篠川 賢      文芸学部教授
      外池 昇      文芸学部教授
      田嶋信雄      法学部教授
      浦井祥子      跡見学園女子大学兼任講師

②年次計画
◆平成23年度:「研究資料室」(仮称)の新設、拠点の整備?拡充。プレ?シンポジウム(プロジェクト全体及び各グループの研究計画の確認等)とワークショップ開催(経過発表と相互検討。翌年度の計画策定)。各グループの調査?研究の開始。◆平成24年度:拠点の整備?拡充。各グループの調査?研究の継続。ワークショップ開催(経過報告と相互検討)。◆平成25年度:拠点の整備?拡充。各グループの調査?研究の継続。ワークショップ開催(中間報告と相互検討)。プロジェクト全体の「中間研究成果報告書」の作成?提出。◆平成26年度:拠点の整備?拡充。各グループの調査?研究の継続。ワークショップ開催(経過報告と相互検討。「最終研究成果報告書」の作成に向けた研究成果の予備的なまとめ)。◆平成27年度:各グループの補充調査?研究の実施。プロジェクト全体に関する公開シンポジウム開催(最終的な成果報告。理論の提?と相互検討)。研究成果の取りまとめと「最終研究成果報告書」の作成?提出。


3.研究により期待される効果
本学は開学以来一貫して、日本内外の古典や文芸研究等を核に据えた普遍的な教養教育を基礎とし、先端的な人文?社会科学研究に基づいた高度の専門教育を実践する「高度教養教育型大学」を目指してきた。従って、本プロジェクトは、高度教養教育に裏打ちされた「未来社会への貢献」を使命と考える本学の人文?社会科学研究を推進し、「高度教養教育型大学」構想の実質化に向けた取り組みを大きく進める効果を持つ。また、本プロジェクトは、社会と文化の再編?再構築が急速かつ大規模に進行している現代にあって眼前の諸問題に積極的に取り組むものであり、「象牙の塔」にこもりがちなわが国の人文?社会科学研究者が再び現実の社会?文化に対峙?関与する必要性と可能性を示す効果を持つ。さらに、本プロジェクトは、社会一般に対しては、多様な人々の生き方や価値観、社会制度の共存を容認する「複数性社会」を理論と実践の両面から構想?提示するものであり、来たるべき「未来社会」のあり方に大きな示唆を与えるものと期待される。