「成城 学びの森」コミュニティー?カレッジ
講義内容
娯楽映画の職人と思われていたヒッチコックを、後にフランス?ヌーヴェルヴァーグの巨匠となる若き映画批評家達、ゴダール、トリュフォー、ロメール(『モード家の一夜』)、シャブロル(『いとこ同士』)、リヴェット等は、人間の本質を鋭くえぐる偉大な映画作家として熱烈に支持しました。
本講座では、古典的ハリウッド映画研究者とヌーヴェルヴァーグ研究者とが、ヒッチコックのどのような特長がヌーヴェルヴァーグに受け継がれて映画史を塗り替えたかを、幾つかの作品を具体的に比較しながら解説します。
※なお、受講生の方には講義の一環として、午前中に映画を視聴(無料)していただきます。
各回テーマ
(1)ヒッチコックにおける禁じられた愛:「カップル」は救済されたのか?(木村)
(2)シャブロルにおける友情/愛情のもつれと救済(小河原)
(3)ヒッチコックにおける愛と信仰の二律背反?(木村)
(4)ロメールにおける偶然の出会いと信仰(小河原)
(5)ヒッチコックにおける(メタ)反キリスト映画(小河原/木村)
(6)トリュフォーにおけるヒッチコックの影響(木村/小河原)
(7)ヒッチコックにおける愛?信仰?映画の(不)可能性(木村)
講師紹介
専攻 : 映画美学?映画理論(木村) /映画美学?映画理論(小河原)最近の主たる関心は、ヒッチコックとミュージカル映画です。ロメール&シャブロル『ヒッチコック』(1957年)を小河原氏と翻訳中です(2012年春出版予定)。(木村)映画映像の美しさ、とりわけヌーヴェルヴァーグの映画の美しさに心ひかれてきました。上記の翻訳を通じて、ヒッチコック映画の様々な美しさをあらためて発見しているところです。(小河原)
★ 受講生の声(アンケート抜粋)
◆ 大好きな仏映画も見ることができ、講義も大変面白かったです。特に、ヒッチコックの宗教観を交えた内容に目から鱗でした。
◆ ヒッチコック映画の技法や、ベースになるキリスト教思想がわかったことにより、映画を見る楽しさが増した。
◆ ヒッチコックとヌーヴェルヴァーグという二つの対比が新鮮だった。先生方の教え方が丁寧だった。
◆ 主観的に映画を見ていたのが、先生の解説により客観的に見ることができ、大変勉強になりました。
◆ 資料も素晴らしく、先生方の説明によって深く映画を理解出来ました。何よりも、映画を全く異なる視点で見ることの面白さを知ったことが大きいです。
◆ 男女講師のコラボレーションが良かった。普通では気がつかない映画へのショット、カットに様々な見方を指摘され、 興味深かった。
◆ 考えもしなかった事や、違った角度からの説明、あるいは専門的な知識に、得した気分になりました。自分自身の映画 に関する引き出しが増えた気分です。