「成城 学びの森」コミュニティー?カレッジ
講義内容
南方熊楠は、柳田國男とともに日本民俗学の先駆的存在だが、柳田國男とは対照的に、南方の寄与はあまり評価されていない。両者と高木敏雄の三者が協力して、大正2年に日本で最初の民俗学研究誌『郷土研究』を創刊した背景を、交わされた書簡によりたどりながら、日本民俗学の黎明において南方熊楠が担った役割を考えてみたい。
<参考書>中瀬喜陽監修『別冊太陽南方熊楠:森羅万象に挑んだ巨人』平凡社 2,520円(税込)
各回テーマ
(1) 通信のはじまり:山の神オコゼを好むということ
(2) 修羅を焼す:南方熊楠の神社合祀反対と柳田の山人研究
(3) 伝説十七種:柳田の日本伝説集編纂計画
(4) 無鳥郷の伏翼(こうもり):日本人による日本研究をめぐる角逐
(5) 郷土の学:新雑誌への期待
(6) その後:『郷土研究』のなりゆきと南方熊楠の「民俗学」
講師紹介
専攻 : 比較文学比較文化(近代日本美術史?文化史)平成12年にイギリス留学から帰国後、南方熊楠旧邸(和歌山県田辺市)での熊楠蔵書?資料調査に参加し、『南方熊楠邸蔵書目録』『同 資料目録』を編纂。編訳著書『南方熊楠英文論考[ネイチャー]誌篇』『南方熊楠とアジア』『南方熊楠大事典』等。