「成城 学びの森」コミュニティー?カレッジ
講義内容
かつて伝染病と云われた疫病は人々を苦しめ社会を不安に陥れてきた。今回は世界的流行(パンデミックス)を引き起こした四大疫病を取り上げる。流行時には適当な治療法もなかったため人々は恐怖におびえ、患者やその家族あるいは社会的弱者にむごい仕打ちをした。疫病とあわせて病院の歴史も概観する。
<参考書>
W.H.マクニール著、佐々木昭夫訳『疫病と世界史』(上)(下)中公文庫 各本体1,143円+税
各回テーマ
(1) ハンセン病(ライ病?レプラ)の流行と隔離政策
(2) ペスト流行と封建社会の変容
(3) コレラの世界的流行:イギリスの東インド経営と病因解明の試み
(4) コレラの治療法と公衆衛生の嚆矢
(5) イギリス産業革命と結核流行:日本の「女工哀史」と結核
(6) フランスの結核蔓延と対策の遅れ
講師紹介
【専攻】ヨーロッパ社会経済史、社会史、福祉史
ヨーロッパとくにイギリスとフランスの社会経済史を専攻しています。
これまで『フランス鉄鋼業史』(ミネルヴァ書房、1995)、『フランス公衆衛生史』(学術出版会、2014)を上梓してきました。
最近は「民衆の貧困と社会的救済」の観点から福祉社会の源流を研究しています。